Passific/MISTERY(パシフィック/ミステリー)感想

good!(美味しい)その他のビール

こんにちは。PassificのMISTERYを飲みました。久々のサワーIPAとなりますが、個人的には積極的に飲んでこなかったスタイルです。サワーIPAは副原料をいっぱい入れてしまい、IPA要素が足りなく「これIPA?」というものが多いからですね。今回のMISTERYは副原料が無いパターンですが、無いからいいとは一概には言えないんのが悩ましいところ。副原料が無い分酸っぱいだけで、終わってしまうこともありえます。

飲んだ日付:2024年8月4日

概要

生産地:神奈川県 茅ヶ崎市
値段(税込):795円
味による区分:-
スタイル:サワーIPA
アルコール度数:6.0%
使用ホップ:不明
※「味による区分」についてはこちらを参照

公式コメント

一見相反する二つのスタイルを掛け合わせたハイブリットなビール。乳酸発酵由来の酸味や香りとホップとの相乗効果から頭の中に色々な果実が浮かばれるような、芳醇で爽快さのある仕上がりとなりました。

—memo—


ホップからなる果実のようなジューシーさと乳酸発酵による酸味との相乗効果が楽しいSour IPAが出来上がりました。

ビールという飲み物は日々多様化を進めていて、様々な味わいの商品が生まれています。それらを形つくる要素として、苦味、甘味、酸味、塩味、他にもアルコール度数、質感、色、炭酸などがあり、それらのバランスの中で、全く違った表情を見せるとっても魅力的な液体だと今でも強く思います。

その中でも酸味と苦味というのはこれまである意味では正反対に位置するものであって、従来の苦味が強いIPAにおいては酸味というのは存在しないものでした。逆もしかりで、酸味のあるスタイルの中に存在する苦味というのは不協和音のようなもので、中々相入れない関係だったかと思います。
それが、Hazy IPAというホップのキャラクターは最大限に感じられつつもジューシーな味わいが特徴のビールが生まれたことで、IPAというスタイルが酸味との接点を持つきっかけになったかのように思います。

発酵食品の面白いところというのは、そのプロセスから原料がもつ味わいを超えた新たな味覚を表現できることであり、このSour IPAというスタイルはそれを象徴するようなものであるとも思います。

たっぷりのホップからなる果実のような香りに酸味が加わることで、それこそ果実が元々もつ味の要素や、むしろ本物の果実よりも果実らしいような味わいをつくることができるのです。

このビールも乳酸発酵を経たビールにフルーツ感溢れるホップをたっぷりと漬け込むことで、パイナップル、スウィーティー、パッションフルーツ、オレンジといった実にはつらつとした果実のような雰囲気になりました。酸味の奥にそれらを引き締めるような苦味も感じられながら、少しだけ加えた乳糖が全体のバランスをしっかりと整えてくれています。3次元的な立体感のある味わいで、ただのジュースとは一味も二味も違った、ビールとしての満足感のある表現ができたのでは無いかと思います。

伝統的なビールつくりだけでなく、まだまだこういった新しいスタイルのビールつくりも面白いなと思わせてくれる一杯で、麦芽、ホップ、酵母、水といったシンプルな原料が織りなす発酵食品ならではの味覚を楽しんでいただけたら幸いです。

僕のレビュー

香り:香りは薄く、少しの柑橘と酸味を感じる程度
ボディ:ライト
味:酸っぱさの中に果物を感じる。果物はオレンジにパッションフルーツかな。副原料無しでこのクオリティは素晴らしい。サワーIPAのお手本。

総評

サワーIPAのお手本と言っていいでしょう。酸味が中心ではあるのですが、ホップ由来の果物がキチンと存在しています。果物は分かりやすく甘い系なので、前情報が無ければ副原料が使ってると勘違いしてしまうかもしれません。

副原料を使わないサワーIPAの中ではトップクラスの完成度ですが、比較対象が余りにも少ないので評価はgood!としました。サワーでもIPAでもある本当の意味でのサワーIPAだと思います。

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