こんにちは。京都醸造の破壊者を飲みました。IPAの歴史をたどる「六人の変革者シリーズ」の1本で今回はウエストコーストIPAがテーマとなります。公式コメントを見るとウエストコーストIPAの歴史がよく分かるので一読の価値ありです。今現在、公式サイトで見ることが出来ないのが残念でなりません。
飲んだ日付:2023年8月23日
概要
産地:京都府京都市
値段(税込):878円
味による区分:ニガニガ柑橘IPA
スタイル:ウエストコーストIPA
アルコール度数:7.0
使用ホップ:不明
※「味による区分」についてはこちらを参照
公式コメント
IPA史を塗り替えた緑の衝撃!一世風靡したあの時代の西海岸IPA
【味わいの特徴】
果物や松脂のようなホップのキャラクターとしっかり存在感のあるモルトの味わいが絶妙に合わさった、かつてのウェストコーストIPAの基本形を目指しました。
【相性の良い食事】
海老とキュウリのスパイスマリネ、粗びきパティのハンバーガーBBQソース、胡椒の効いたジャガイモと硬質チーズオーブン焼き
【名前の由来】
中世イギリスに端を発したIPAは、現代に新大陸で花開き、様々な人の手によって変化、多様化してきました。あらゆる歴史においても共通してある、これまでの枠を突き抜け、流れを一気に加速させるような存在の登場。IPA史でいうならば、2000年代初頭のウェストコーストIPAがそれに当たるだろう。強烈な苦みに爆発するような柑橘香、振り切れるほどのホップの個性に今までのIPAは何だったのだろうかと人々のIPAへの印象を一夜にして、変えてしまうような衝撃的な登場でした。
【醸造家の声】
これまでのIPA史を紐解くように、時代とともに変化するIPAを順を追って作ってきた本シリーズですが、今回は、アメリカ西海岸が世界のホッピーなビールの中心地だった時代に遡ってみました。柑橘系の香りと松のようなアメリカンホップを大々的に取り入れたペールエールが人気を博し、当時のブルワーはこぞってビールにどれだけのホップを入れることができるかを実験していました。
このムーブメントの中心になったのは、間違いなく西海岸、主にサンディエゴやカリフォルニアエリアにあるビール醸造所でした。透明度は高く明るい色味とドライなボディが特長の今日の西海岸スタイルのIPAとは異なり、当時のオリジナル版には大量のクリスタルモルトが使われており、大量に投入されるホップをしっかりサポートできるだけのボディ感がありました。
この破壊者では当時の味をただ忠実に再現するのではなく、よりいっそう色とボディを特徴づけるために、通常よりも多くのクリスタルとデキストリンモルトを使用しました。ドライさの度合いは現代の西海岸スタイルに近いですが、使用したホップの多くは古典的な品種を選びました。また、IBU(苦み指数)は、苦味も通常のIPAよりもはるかに高い80に仕上がり、IPAらしい懐かしい爽やかな苦みを感じてもらえる設計です。
その結果、新旧の西海岸IPAの個性をバランスよく取り入れたウェストコーストIPAになりました。柑橘や松っぽさ、弾けるようなホップの香りがやや全面にでて、モダンなトロピカルフルーツの特徴のホップとのバランスが絶妙です。オリジナルよりやや濃いめの色味とドライな口当たりと印象的な苦味で当時の西海岸の味わいを表現しています。
僕のレビュー
香り:グレフル、マンゴー、松
味:グレフル苦みから入りマンゴーが少しやってきて松で締まる。シンプルな昔のウエストコーストにマンゴーの隠し味。あくまで骨格は昔のままなのが好感触。ボディはミディアムライト。中の下。温くなっても味わいそのまま
総評
昔のウエストコースト中に現代のエッセンスを感じるIPAでした。具体的にはボディの軽さとマンゴーの要素ですね。いうなればハイブリットウエストコーストIPAといったところでしょうか。ハイブリット型は中途半端に終わることが多いのですが、こいつは現代の風味を隠し味として使うことにより成功しています。
今回も勉強にもなる美味しいIPAでした。当時のまんまでは無く、アレンジを加えているのがいいですね。「六人の変革者シリーズ」初心者に勧めやすいIPAなので、ぜひとも復刻して欲しいです。
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