志賀高原 x 麦雑穀工房/Quadrupel(クアドルペル)感想

good!(美味しい)その他のビール

こんにちは。志賀高原 x 麦雑穀工房のQuadrupelを飲みました。志賀高原と麦雑穀工房の両者の20周年を記念したビールで、スタイルなんとベルジャンクアドルペル。トリプルの次のクアドルペルということで度数は13%となっています。ベルギー系ではベルジャントリプルまでしか飲んできたことがないので、どうなっているのか想像すらつきません。IPAとは違った表情を見せてくれることでしょう。

飲んだ日付:2024年10月31日

概要

生産地:長野県下高井郡
値段(税込):1,187円
味による区分:-
スタイル:ベルジャン クアドルペル
アルコール度数:13.0%
使用ホップ:不明
※「味による区分」についてはこちらを参照

公式コメント

麦雑穀工房と志賀高原ビール、お互いの20周年を記念しての特別なコラボです。
自分たちで畑仕事もしながら、繊細でありながらも挑戦的なビールをつくるのが雑穀工房の鈴木さんご夫婦。
もう、10年以上も前から、ホップの収穫にも何度もきてくれたり、SNOW MONKEY BEER LIVE に参加してくれたり。初対面は、14年前でした。
鈴木さんたちが普通の(熱心な)人たちと違うのは、収穫の時だけじゃなくて、春のきつい「株こしらえ」の作業まで来てくれたりするところ。
変態です。
農業に直接携わりながら、セゾンやバレルエイジのビールをつくる、日本で数少ない本当の Farmhouse Brewery。
ビールが美味しいだけじゃなくて、ぼくらもすごく共通するものを感じています。

なにをつくるかのアイディアは、鈴木さんからすぐに返ってたアイディアが、ベルジャンクアッド。
ダブルやトリプルといったハイアルコールなスタイルのさらに上をいくやつ。
「4倍」です。
雑穀さんの設備では、どうしても到達できる度数に限界があるということで、今回のビールが即決まりました。

発酵は、時間をかけてゆっくり、でも着実に進み、野生酵母や微生物をつかわないクリーンなビールとしては、志賀高原ビール史上最高の発酵度(attenuation)で、なんと13.0%に。
当初は、フルーツをつかうことも想定していたのですが、そのままがあまりによくて、フルーツを足すのがもったいないということに。
とはいえ、途中で、およそ半分近くを別バージョンにすることにしたのですが、それはまたそのうちに。
でも、こちらも、このベースのビールが気に入ったからこそ生まれたアイディアだということは書いときます。

というわけで、やっとビールの説明です。
13.0%、IBU41。
色は深い赤。
複雑で甘やかな香りのなかに、ライとスペルトによる穀物由来のスパイシーさ。
ブラインドで度数を当てるのがかなり難しいであろうドライさ。
でも、飲んでいるうちに、高アルコールだということに気が付きますが、もしかしたらそん時点ですでに「お前はもう死んでいる」の可能性も!?
干し葡萄やプルーンといったドライフルーツ的な濃縮された果実味と同時に、イチゴや、巨峰みたいなフレッシュなフルーティーさも感じます。
食後酒的にはもちろんですが、赤ワインポジション的に食事とあわせていただくこともできるのは?
仕込みから半年以上経って、もうすでにかなりいい状態かと思いますし、ある意味このタイミングで飲んで欲しいと思う一方で、今後の熟成にもかなり期待が持てます。
だから、2本以上は買わないといけないやつです。
こんなのがあんまり売れない時代だし、他でつくっているとこもあまりないので、果たしてどうなるか。
でも、とにかく思い入れたっぷりの20周年同志のコラボ。
ぼくらの期待以上の出来になったと思います。
お楽しみいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。

僕のレビュー

香り:黒糖、プルーン、ブルーベリー、いちご、ドライいちじく
ボディ:フルボディ
味:アルコールはガツンと来ない。麦の甘さから始まり、後味はドライに終わる。間に果物がいるけど何がいるか分からない。後味が舌に張り付いてワインっぽくも感じる。まだ固いな、ビールで固いってなんだよ。でも固いんだもん。

総評

固さを感じる不思議なビールでした。ムキムキのアルコールの骨格に麦味がメインではあるのですが、後味はドライで舌に張り付く赤ワインのようなニュアンスで「これ本当にビールか?」と勘繰ってしまいます。味の合間に果物を感じますが、香りほどはっきりと分からない感じです。強いて言えばレーズン等のドライフルーツでしょうか。全体的に香りが開いてなく、ウイスキーやブランデーにある固さも感じます。

ウイスキー等の固さはアルコール度数の高いものでは分かりやすく感じますが、ビールでは初体験です。固さとはなんぞやと思うビールラバーの方もいると思うので簡単に説明しますが、お酒の固さは「ポテンシャルを感じる」と言いかえることができます。私はまだ言語化できていませんが、このビールからはアルコールに閉じ込められているポテンシャルを感じずにはいられません。

「今の段階で美味しいのか?」と聞かれれば「当然美味しい」と答えますし、「これ今空けるのと時間置くのどっちがいい?」と聞かれれば「2本買うのがベスト、予算的に厳しいなら時間置いた方がいい」と答えます。公式コメントの「2本以上は買わないといけないやつです。」の意味も飲んでみて分かりました。私は2本購入しているので経年変化も楽しめますが、経過観察もしたいのでもう1本買い足すのもありだと思っています。今のところ評価は「good!」ですが「sublime!」になるポテンシャルを秘めているので、どう変化するのか楽しみです。

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