HORSEHEAD LABS/馬頭 不可思議10^64(ホースヘッドラブズ/バトウフカシギ)感想

good!(美味しい)ニガニガ植物IPA

こんにちは。HORSEHEAD LABSの馬頭 不可思議10^64を飲みました。HORSEHEAD LABSさんは2022年の1月に設立された新進気鋭のブルワリーです。今回飲んだ「不可思議」はTDH(トリプルドライホップド)トリプルIPAということでかなり攻めたスタイルで商品説明を読んだ瞬間に買うことを決定しました。

概要

生産地:静岡県静岡市
値段(税込):1,023円
味による区分:ニガニガ植物IPA
スタイル:TDHトリプルIPA
アルコール度数:10.5%
使用ホップ:不明
※「味による区分」についてはこちらを参照

公式コメント

『「商業ベースなんてつまらない」と 醸造長が手間と採算度外視でただ作りたいモノをつくる』がコンセプトの奇奇怪怪な馬頭ブランドの第二弾。

不可思議は10の64乗を意味する。

アロマの複雑さに主眼を置く昨今のIPAに対し、この『不可思議10^64』はホップの純粋な『存在価値』を追い求めることを唯一の理念とした。

ホップ使用量は他に類を見ない。異常である。

しかし、重要なのは量ではない。そこに気高く純粋なレゾンデートルの宿りを問うた。

発酵に於いては、生体触媒によるホップアロマの引き出しを狙い、性質の異なる複数酵母を組み合わせる”Co-Fermentation”を採用。

ラベルデザインは、記憶の泉に佇む一頭の馬。

   誰もが知らず、誰もが知っている一頭の馬。

僕のレビュー

香り:ベリー、枯れ草
味:入りには圧倒的な松、あとからラズベリーが覗いてくる。最後にハーバルな味わい。草の2段活用。麦の甘さは控えめにバックグラウンドとしている。雑味がないのも素晴らしい。

総評

飲んで真っ先に思い浮かんだのは「これはバカにしか作れないIPAだ」でした。このバカはほめています。軽めなボディに過剰なまでのホップフレイバー、その過激な味わいはアルコール度数が気にならないレベルです。トリプルIPAは麦芽を増やし、麦味を増やしボディを重くすることでアルコール感を誤魔化すのが普通です。何故かこのIPAは糖類を入れることによりボディを軽くしています。

裏ラベルの写真

その代わりにアルコールを抑えてるのはホップです。とんでもない量のホップが入ってることが予想されます。人間でいうところの過労死ラインのレベルではないでしょうか。

クリアなIPAでもホップフレイバーを増やすためにドライホップをすることはあります。このブログで紹介したので言うと「North Park×Bottle Logic/(Insert Collab Name Here)」が該当します。

ただし「(Insert Collab Name Here)」はDDHの普通のIPA(アルコール度数6.5%)です。一方「不可思議」はTDHのトリプルIPA(アルコール度数10.5%)です。何故アルコール度数を上げたのか?何故3回もドライホッピングをしたのか?Co-Fermentationってワイン用語じゃなかったっけ?と気になることだらけです。

疑問の答えは公式コメントにあった『「商業ベースなんてつまらない」と 醸造長が手間と採算度外視でただ作りたいモノをつくる』ではないでしょうか。本来のアプローチに囚われない、挑戦的な1本です。

評価が「sublime!」ではないのは、余りにも人を選ぶ味わいだからです。僕の中での「sublime!」は好みの領域を超越して、誰もが好きといえる絶対強者なのです。暴力的なホップダイナマイトは絶対強者では無く狂気のマッドサイエンティストです。

そんなマッドサイエンティストな彼ですが、僕のような植物系IPA大好きマンは大好物です。しかし真逆の甘々ヘイジー大好きマンからすると、飲んだ瞬間に拒否反応を示すレベルの劇物と化します。人を選ぶ味わいというのは尖った結果なので、仕方がないことだと思います。

新しいブルワリーのIPAは”置き”にいってることが多いのですが、ガン攻めのいかれたIPAでした(ほめてます)。このままフルスロットルで駆け抜けて欲しいですね。

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